Ciet について

2024年 冬、シエットは大きく生まれ変わります。

シエットは 2021年、宮城県に誕生しました。
おかげさまをもちましてご利用者多数のため、60人宿泊可能にサイズアップします。
宿泊可能な研修センターとして、外国人の教育、日本人の技能講習、その他さまざまな合宿研修にご利用いただけます。
技能講習は コベルコ教習所市川教習センターとの提携で各種実施いたしております。

シエットは、これからの研修センターです。

わたしたちが考えていることをお話します。

これからの日本には外国人が必要です。

いま日本は、深刻な人口減少時代です。

日本はかつて、年間出生数が200万人以上だった時代もあります。
それがいまでは、80万人を下回っています。
そして、これからますます減っていきます。

すでにもう、若者の争奪戦が起こっています。
高卒、高専卒を大手企業が根こそぎ取っていってしまいます。
中小零細には、厳しい時代です。

ハローワークに求人を出しても人が来ません。
来ても、すぐ辞めてしまうこともよくあります。

まもなく高齢者が大量にリタイアしていきます。

それを少しでも補うように、多くの会社が外国人労働者を入れています。
すでに、外国人がいなければ回らない会社も多くなってきました。

2040年には外国人労働者は674万人必要だという推計もあります。
いまは200万人ぐらいです。つまりいまの3倍以上です。

とくに心配されるのが、建設と介護です。
毎年襲い来る大型災害の復旧や、大量の高齢者の介護。
これだけでも、もう日本人では足りません。

もう、外国人を入れた地域や会社だけが生き残っていく時代かもしれません。

東北国際教育センターcietシエット

外国人を入れて好転することはたくさんあります。

外国人はハングリーでよく働くと言われます。
日本の若い世代よりまじめだと、よく聞きます。
陽気な外国人が来て会社が明るくなった、というのもよくあります。
全体の年齢が若返って活き活きとしはじめた職場はたくさんあります。
高齢者と若手だけだった会社で若手が元気づいたところもありました。
人繰りの心配がなくなって新規営業に前向きになれた、という社長もいます。

外国人を受け入れた現場は悩みがいっぱいです。

外国人労働者が働くのは、作業現場です。
その担当者の悩みは尽きません。

ことばがわからない。
日本のマナーやルールが通じない。

経営者が外国人受け入れ派でも、現場で働く人たちが同じ気持ちとは限らない。

万一、ケガなどが起きてしまったら、受け入れストップかもしれない。
外国人がすでに戦力になっている会社では存続まで危うくなる…

あうんの呼吸で仕事できるようになるには、しばらく時間が必要です。
その軌道に乗るまでが、まずはひとつの大きなチャレンジです。

わたしたちシエットは、その悩みに力になりたいと思っています。

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外国人受け入れへの3つの意見

日本の外国人労働者の受け入れをめぐっては、大きく3つの意見があります。

ひとつは、「経済を回すのに外国人が不可欠だ」という意見です。
経済界が唱えています。
グローバル化した世界では多国籍の人々が入り混じる。
それが当たり前な姿だとも言われます。
外国人が増えると社会に多様性が加わり活性化してよい、とも言われます。

反対に、外国人が増えると日本が日本でなくなる、という意見があります。
外国人が増えると、治安が悪くなる。
ルールやマナーが失われる。仕事が奪われる。給料が下がる。
ことばも常識も通じない人たちが身近にどんどん増えるのは怖い、などの声です。

もうひとつは、日本の外国人雇用の実態は人権侵害に当たる、という意見です。
これは海外からの批判です。
外国人技能実習制度では実質的に転職ができません。
弱い立場であることをいいことに酷使する。暴力を振るう。
それは差別であり、奴隷扱いだという意見です。

これら三者がどうしたら納得するのか。
わたしたちはその方法を見つけなければいけません。

日本は「選ばれる国」にならなければなりません。

これまでの外国人雇用には人件費が抑えられる、というメリットがありました。

しかし、円安のせいで、外国人が母国に送る仕送り額が目減りしています。
日本の物価も上がっています。
そのせいで、外国人にとって日本に出稼ぎに来るメリットが減っています。

そもそも、日本で働くには日本語という超難解な言語を学ばなければいけません。

このままいくと、外国人はもっと韓国や台湾、英語圏などに流れていきそうです。

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日本が「選ばれる国」になるためには待遇と教育です。

これからも日本が「選ばれる国」になるためには、それなりの待遇が必要です。
また、外国人が日本で安心して過ごせるようにする必要があります。
外国人が安心して過ごせることは、わたしたち日本人の安心にもつながります。
そのためにできる教育があると、わたしたちは考えています。

いままでの研修センターは安さを追求してきました。

これまでの多くの研修センターは「安さ」を追求してきました。

ひとクラスは大教室で 30人を超えるのが当たり前。
ふつうの日本語学校なら 20人が上限だったはずなのにです。

食事は3食30日で 2万円。つまり、一食あたり200円ぐらい。
寝室は一部屋にたくさんつめこむ。
大部屋に雑魚寝のところもあります。
日本人従業員でもそのように扱うでしょうか。

技能実習生は日本に来て、最初の1ヶ月を研修センターで過ごします。
そして、少なくとも3年間は日本で暮らします。
なかには延長して、長ければ5年とか8年、日本に住みます。

研修センターは大切なスタートアップの1ヶ月です。
その教育にはもっともっと工夫が凝らされるべきです。
ルールどおり1ヶ月やりさえすればいい、ではもうありません。

ふつうの日本語はもちろんです。
それに加えて、仕事で使うことばの習得が欠かせません。

毎日会う日本人教師から「日本人とは」を学んでもらうことも大切です。

そして、「日本に来てよかった」と感じてもらいたいと願っています。

シエットは、建設業に特化した研修センターです。

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たとえば、工場の単純作業の労働者なら、寮から工場に行って買い物して帰る。
その生活にはそれほど複雑な日本語は要りません。

しかし、建設業の事情はもっと複雑です。
毎日作業が異なります。
作業場所もいろいろです。
外で、早口で、なまりを含んだ日本語が飛び交います。

建設業独特の専門用語も必須です。
指示にミスがあると事故が起きます。
コミュニケーションが命を左右します。

「現場のことばは現場で覚えろ」は外国人には通用しません。
現場のことばをあらかじめ少しでも多く覚えておいてもらいたい。
現場の指示を聞き取るトレーニングもさせたい。

しかし、大教室でいろんな職種と勉強していてはそれができません。

そこでシエットは、建設業に特化した研修センターにしました。

シエットでは既製の日本語の教科書を使いません。
独自教科書です。
たとえば、喫茶店、地下鉄、カフェ、ブティック、図書館、映画館…
などのことばは出てきません。

そのかわり、コンパネ、ハンマー、ヘルメット、工具箱… などを習います。

玉掛けなどをワンストップで免許取得できるのもシエットの特長です。

シエットはとことん教育にこだわります。

技能実習生には入国から8ヶ月ごろに試験があります。
これに合格しないと帰国させられます。
この試験勉強はいままで職場任せでした。

この試験には実技と学科があります。
実技は現場で教えることができます。
しかし、問題は学科試験です。

日本語もたどたどしい外国人相手に専門知識を教える。
それを総務や人事の職員に押し付けられていました。

シエットでは、シエットにいる間にその試験勉強もします。
特製のテキストも用意してあります。
会社では試験前に練習問題の答え合わせをするだけです。

シエットは外国人差別をしません。

シエットでは、日本人と同じ食事を提供します。
部屋は一部屋にふたりまでです。
外国人だからという差別はしません。

シエットは岩手マイタックの経験から生まれました。

東北国際教育センターcietシエットシエットを運営しているのは「岩手マイタック」という岩手県の土木会社です。
従業員200人ほどの会社です。

そこにフィリピン人が約80人働いています。
現場作業員のおよそ半分がフィリピン人です。

彼らは確実に弊社の戦力になっています。

じつは、シエットはわたしたちが彼らと働いた経験の中から生まれました。

・ 差別は絶対にあってはならない。
・ 現場に入れる前に教育をしっかりしておきたい。

そういう考え方はわたしたちが自分たちで守ってきたものなのです。

そういうわたしたちが、
「こういう学校があったらいいな…」
という理想をもって作ったのがシエットなのです。

だから、建設業のみなさんに必ずお役に立てる学校だと信じています。

シエットへのご理解が広がりつつあります。

ただ、理想を実現しようとすると、従来の研修センターより高くなります。

ふつう7〜12万円で済む費用が、シエットは20万円です。

それでも、
「少なくとも3年、あるいはそれ以上一緒に稼ぐ人材の教育だから、惜しくない」
そう共感してくださるお客様が増えています。

その声に勇気づけられて、施設を増築しました。
収容人数を30人から60人に倍増しました。

わたしたちは徹頭徹尾、教育の細部までこだわり続けます。

「研修センターにこだわる」

その考えがいままではなかったのかもしれません。
その意味で、わたしたちはこれからの研修センターなのです。

東北国際教育センターcietシエット

みなさんと一緒に作っていきます。

みなさんと一緒に、
みなさんの会社のために、
日本に来てくれる外国人のみなさんのために、
これからの日本のために、
よい学校にしていきたいと思っています。

百聞は一見にしかず、です。
一度、シエットをご覧においでになりませんか。

スタッフ一同、心からお待ちしております。

東北国際教育センター
シエット センター長
玉腰辰己

玉腰辰己

1966年愛知県生まれ。日本大学芸術学部卒業。西武百貨店、ギャガ・コミュニケーションズ、上海・台北・シンガポール留学、日本語教師、笹川平和財団研究員、聖心女子大学、青山学院女子短期大学、駒澤大学の非常勤講師を経て、2019 年に岩手・盛岡に移住。外国人技能実習制度の監理団体で2年間監査業務を担当し、東北6県を巡回した。2021年から現職。博士(国際関係論、早稲田大学)。共著に『日中関係史 1972-2012 III』(東京大学出版会)、『証言 日中映画興亡史』(蒼蒼社)がある。